お花別水揚げ方法

花を長持ちさせるための水揚げのヒント

活け込み

オリエンタルユリ

 お水につけたときに葉が水に浸かるのを防ぐため、不要な下の葉を取り除きます。また、生命力の強い花ですので特別な処理は不要です。

 店頭販売用に仕入れたときにゆっくり咲かせたいときに開花を調整するため、空切りをしないこともあります。
 また、20〜30本などまとめて仕入れた場合は水揚げの方法を変えて開花時期を変えることもできます。
開花を遅らせる: 購入したものをそのまま水に入れて、キーパーやストッカーに入れます。
通常: 下の葉を除き、茎を斜めまたは平行に切ります。
開花を早める: 不要な葉を取り除き、茎を短くして斜めに切ります。水にお湯を足すことで水温を上げることもあります。
開花後の注意点
 花びらを傷めないように、開花後は雄しべを慎重に取り除きます。雄しべを取り除いていないと黄色い粉が付いた手や花弁などを汚すことになるため、早めに取り除くことをお勧めします。
 特に活け込みに使用する場合は、すべての雄しべを取り除いておくことが望ましいです。
店売りの場合、雄しべが付いたままが希望されるお客様もいらっしゃいますので、使用用途や販売形態に応じた対応が必要です。

オリエンタルユリ シベリア

LAユリ

 オリエンタルユリと同様です。ただ花弁がオリエンタルユリよりも繊細なので、バケツに入れるときは少し分けることをお勧めします。分けることによって、ユリが咲き始めたときに花弁がからまるのを防ぎます。

LAユリ

バラ

 バラを花瓶などに活ける前に、水に浸かることがある葉を取り除きます。この作業には、棘取り用の道具を使うこともありますが、丁寧な処理としてはナイフを使うことが推奨されます。品種によっては、簡単に棘を取ることができますが、そうでない場合は雑巾で茎を挟んで処理します。棘を取らないと、バケツから花を取る際に棘が絡み、花を傷める場合があります。店頭での販売の際には、前もって棘を取っておくことが望ましいです。
 昔は海外から輸入されたバラには湯揚げが必要だと聞きましたが、現在は空切りでも問題ないようです。国産バラは空切りで十分です。
 スプレー咲きのバラや葉の多いものは、適切に切り落とし、水揚げを行います。

バラ レッド

ガーベラ

 ガーベラに関しては、ほとんど空切りで問題ありません。もし弱っていて首が柔らかくなりたれ下がってしまっているなら、新聞紙などで花を包みたっぷりお水を入れたバケツにつけてしばらく置いておきます。お水が上がれば花首もしっかりしてきます
 お花に小さなセロハンが付いている場合もありますが、販売中は付けておくことをお勧めします。お客様にお渡しする際には、ご家庭用ならばセロハンが付いたまま販売することで、花を傷めないで持ち帰れます。

ガーベラ オレンジ

トルコキキョウ

 トルコキキョウの水揚げでは、不要な葉を除去し、空切りすることが大切です。鋏を使わずに手で折って水揚げすることも可能です。
 花の付きが良いときは、小分けに切って水が上がりやすくすることもあります。また、葉の整理も必要です。花の中を見て、雄しべ付近にカビが生えている場合は、切り落として手入れを行います。
 まれに芋虫やアブラムシなどの虫がいる場合もありますので、綺麗な花とは別に管理し、虫の被害が拡大しないように心がけましょう。
 トルコキキョウは素敵で長持ちする花ですが、蕾がやや折れやすく花弁が繊細なため、丁寧に扱うことが大切です。

トルコキキョウ

 手で折って深水にするのが良いです。ただし、鋏を使って切ることもあります。特に、水が下がっていると手で折るのが難しくなり、スペースがなかったりすると、お花をぶつけて傷めてしまうことがあるためです。
 スプレー咲きの花の場合は、少し小分けにして軽くすることも必要です。特に大きく花びらが繊細な花(例えばアナスタシア)は、バケツに入れる際に小分けすることが望ましいです。保護のために網がかかっている花もありますが、咲く前に取り除いた方が最適です。

 

備考

 お花の上げ方には場合によって異なるものがあり、お花屋さんによっても違ったり、お花の鮮度や状態に応じて変えなければいけない場合もあります。そのため、一概には言えません。
 葉っぱやお花が多い場合は間引きをしたり、弱い場合は水切りをするといった処理も必要です。このようなことは経験を積んで体験することが最も良い方法です。私自身も多くの失敗を経験してきました。
 お花を簡単に楽しむことができると、生活が明るくなると思います。近くにお花がある機会があれば、生活のチャレンジをしてみてください。