水揚げのエキスパートになるための一歩

 

 

切り花を長持ちさせる秘訣:水揚げのポイント

空切り

水につけずそのまま茎を鋏などでカットすることを言います。
基本的には鮮度の良いものは空切りでも大丈夫です。
お花の品種によらず市場から入荷してすぐのものでいきのよいものはジャンジャン空切りをして水揚げしていきます。

水切り

水切りとは、花の茎を水に沈めてカットすることです。水中でカットすることによって、茎の切り口が空気に触れないようにすることが大切です。また、水を深めにためるほうが効果的とされています。この方法は、手間も少なく家庭にある道具で対応可能であり、お客様にもよくおすすめします。

 

割り

 枝物の水揚げに用いられる方法です。枝に鋏や鉈で切り口を一文字にするか、十字に割ります。
十字に割る方法のほうが水揚げがよくなります。
もし割っただけで水が上がらない場合は、皮をナイフなどで落とします。

 

叩き

 「叩き」とは、プラスチックハンマーなどを使って茎や枝の切り口を叩いて割ることです。この方法は、多数の枝物がまとまっているときに一本づつ割るよりも効率的です。しかし、力加減が必要であり、叩きすぎると枝物が砕けてしまう危険もあります。また、叩く際には枝物の下に何か物を置いて、床や地面を傷みやすいことを防ぐように注意することが重要です。ヒペリカムや雪柳などの茎が木になっていて数が多いものは、叩いて割ることが楽になります。

 

ゆあげ

「ゆあげ」は、お花を保護するために新聞紙などで包み、切り口を1cmから2cm程度つけてから沸騰したお湯に入れる方法です。方法は人によって異なりますが、一般的には100℃の沸騰したお湯を使います。ですが、熱湯を使わなくても時間をかければよいという考えもあります。お湯につける時間も5~6秒から2~3分までさまざまです。

 湯揚げすると茎が痛むため、色が変わったところを切り落とすことが一般的です。また、切り落とすタイミングについても水につける前か、水につけた後で花が落ち着いてからなど様々な方法があります。

 ストックなどもこの方法を使うことがあり、湯揚げすることで大根をゆでたような香りがします。

 

焼き

 湯揚げと同じようにお花の部分を新聞紙などでくるみ保護したのち、切り口を直接火にかけて炭化させます。こちらは炭化した部分を切り落とす方法とそのままにしておく方法とに分かれます。
 まれに、バラなどが元気がないときに使う方法です。

ピンクのブーケ

 

手折り

 手折りとは、茎を手で折ることを指します。この方法は、あまり水があがっていないと茎が曲がってしまいうまく折れない場合があるため、注意が必要です。まとまった数がある場合は、テーブルの上などに置いて折ります。例えば、菊などの水揚げの際にも手折りが使われます。菊は金気を嫌うと言われているため、折ります。

 

焼きミョウバン

 「焼きミョウバン」は茎の切り口に塗り付ける方法で、アジサイなどの一部の花材に適用できます。アジサイの茎を切断すると中心に白い部分があります。切り口まで約5-10cmそぎ落とし、中心の柔らかい白い部分をナイフなどで抜き、切り口全体に焼きミョウバンを塗り、水につけます。